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初聖体式と家族をめぐるドキュメンタリー映画

東京・渋谷はユーロスペースにて、6月23日より『祝福 ~オラとニコデムの家~』というポーランドのドキュメンタリー映画が公開されます(※)。

本作の原題は『Komunia』、すなわちコミュニオン=聖体拝領です。あらすじや公式サイト情報を読むに、自閉症のために初聖体が遅れている子供の初聖体式をめぐる、母が出ていった家族の様相を撮ったドキュメンタリーのようです。

あらすじ
ワルシャワ郊外の街セロツク。14歳の少女オラの家族は、酒で問題を抱える父親と自閉症の13歳の弟ニコデム。母親は違う男性と離れて暮らしている。家事をこなし、弟の面倒を見るのはもっぱらオラの役目だ。現実は厳しい。それはわかっている。けれど、少女は心のどこかで夢見ている。弟の初聖体式が成功すれば、もう一度家族がひとつになれると。監督はこの映画を「親に見放され、帰る家を探している現実的なヘンゼルとグレーテルの物語」という。この映画は、大人に守られず必死に生きている、この世界の子どもたちへの、優しくも透徹したまなざしである。
http://www.moviola.jp/shukufuku/intro/index.html

試しに予告編を見てみたところ、心惹かれる光景がカメラに収められていました。

姉のオラが、初聖体の準備として弟ニコデムに「舌での聖体拝領」の練習をさせているのです(予告編 1:13~)。バナナのような果物を輪切りにしてホスチアに見立てて、「アーメン」と言った後に口を開け、舌を出して拝領する練習をしています。このような練習は、ポーランドのようなカトリック国では広く行われている慣習なのか、オラが特別に考え出したのかどうかは分かりませんが、日本でもこのような舌での拝領の練習を、初聖体前にできれば良いのにと思います。日本での適応云々で、正式な「舌による拝領」を教えず、(聖別されていない)手による拝領を強制するというのではなく…。


映画は編集により完成されるものなので、ドキュメンタリー作であっても監督の思想が反映されます。本作の監督および脚本を務めたアンナ・ザメツカのインタビューを読む限りでは、教会に対してあまり肯定的な意見を持っていないだろうと思われます。しかし、そうであっても、カメラを通して至聖三位一体の神が語りかける何らかがドキュメンタリー中にあることを、一カトリック信徒としては期待しています。実際に映画を観ていないうちにあれこれと憶測を述べることはできませんが…。

※ ユーロスペースを含めた、全国計18館で上映予定とのことです(6月18日現在情報)。

公式サイト 劇場情報
http://www.moviola.jp/shukufuku/theaters/index.html