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プロライフを掲げるLifeSiteNewsは、反教皇プロパガンダサイトかもしれない ①

英語のサイトにLifeSiteNews(以下、LifeSite)という、プロライフやカトリック教会に関するニュースサイトがあります。日本においても、このサイトの記事を参照、引用している方をネット上でちらほら見かけます。

LifeSiteにアクセスして幾つかの記事に目を通したことがある方はご存知でしょうが、掲載ニュースのなかでもフランシスコ教皇様関連となると、バッシング記事ばかりです。そして、LifeSiteの設立団体であるCampaign Life Coalitionは、カナダの「マーチフォーライフ」イベントの主催者でもあります。

LifeSite関連について調べてみると怪しい材料が散見されることから、個人的にいろいろと考えてみた結果、LifeSiteは「反教皇」プロパガンダを意図しているサイトかもしれないと思うに至りました。以下、本サイトについて述べていきます。

注意
この記事は、日本のプロライフ運動について述べるものではありません。

LifeSiteとは

サイト上の紹介文によれば、「文化、生命、家族の問題に特化した非営利のインターネット・サービス」だと述べられています。LifeSiteの事務局としてはカナダと米国に拠点がおかれています。

設立時期: 1997年9月
設立者: Steve Jalsevac(President)、John-Henry Weste(編集長)
スタッフ、特派員: 世界各地に30人以上(米国、カナダ、メキシコ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、フランス)
訪問者数: 200万人/月
訪問者割合: 【国別】米国 71%、カナダ11%、英国 3.75%、オーストラリア2.7%、【性別】 女性 67.58%、男性 32.42%

訪問者に関するデータは2017年6月から上記内容にて掲載開始 

LifeSiteのカトリック教会関連報道について

LifeSiteはプロライフ関連を中心に報じているニュースサイトですが、設立者のSteve JalsevacJohn-Henry Westeがカトリック信徒であるためか、教会に関する記事も多いです。

2017年10月9日からは、LifeSiteのトップページに「Standard Edition」(標準版)もしくは「Catholic Edition」(カトリック版)を選択できるタブを設けて、一般的なプロライフ、プロファミリー情報を知りたい読者は前者を、カトリック関連情報も詳しく知りたい読者は後者を選ぶことができるように、トップページを変更しました。

この「版」を選択するタブの下には、注目ニュースのキーワードが並んでいます。大抵キーワードとして表示されている「Pope Francis」というキーワードをクリックすると、フランシスコ教皇様関連のニュースをまとめて読むことができます。大抵は教皇様を非難する論調の記事です。

Life Site propaganda

【当サイト管理人の所感】 サイト訪問者を教皇様のバッシング記事へ誘導するようにデザインを変更したのでしょうか…?

フランシスコ教皇様に対する報道姿勢

フランシスコ教皇様に関して、LifeSiteの編集長であるJohn-Henry Westenは教皇様を非難しない記事も若干書いているものの、基本的にはバッシング記事を執筆しています。他の記事執筆者(ローマ特派員含む)も同じくバッシング記事に偏っています。

フランシスコ教皇様の言動には「保守的」な信徒にとって疑問に感じてしまうものもおありになるので、愛ある批判のレベルであればニュースサイトのスタンスとしておかしくないと思われますが、情報の正確性が疑わしいニュースも編集長自ら取り上げて報じています。

加えて、教皇様に関する良いニュースについてはほぼ取り上げないというLifeSiteのスタンスが引っかかります。例えば、2017年末から2018年初頭にかけて話題になった『焼き場に立つ少年』写真の件(原爆投下後の長崎で撮影された『焼き場に立つ少年』の写真をカードにして、配布をご指示されたニュース)や、教会の御母聖マリアの記念日制定の件については一切報じていません。

カトリック信徒でありながら、教皇様を叩く記事に偏っているというLifeSite記者の報道姿勢および編集方針は、いかがなものかと思わずにはいられません。

なお、Wayback Machineで過去のサイト履歴を見ると、2002年時点から「Church Scandal」という特設コーナーを設けて(※ 今はない)、教会の性的虐待事件や同性愛関連ニュースについて報道しています。しかしながら、ヨハネ・パウロ2世教皇様やベネディクト16世教皇様のときに、教皇様個人に対するバッシング記事は、過去情報をざっと調べた限りでは掲載されていません(見落としがあるかもしれませんが…)。

参考情報
プロパガンダ技術の7手法のうち3つ (米国・宣伝分析研究所による分析)

① ネーム・コーリング: レッテル貼り。攻撃対象をネガティブなイメージと結びつける
② カードスタッキング: 自らの主張に都合のいい事柄を強調し、都合の悪い事柄を隠蔽、または捏造だと強調する。本来はトランプの「イカサマ」の意。情報操作が典型的例。マスコミ統制。
③ バンドワゴンその事柄が世の中の趨勢であるように宣伝する。人間は本能的に集団から疎外されることを恐れる性質があり、自らの主張が世の中の趨勢であると錯覚させることで引きつけることが出来る。

  Wikipedia 「プロパガンダ」記事より

LifeSiteの設立団体Campaign Life Coalitionは、カナダの「マーチフォーライフ」イベントの主催団体である

LifeSiteは、彼ら自身がサイト上で述べているとおり、Campaign Life Coalition(CLC)という非営利団体が設立しました。同団体はカナダの「マーチフォーライフ」の主催者でもあります。

■ CLCについて

・創立年: 1978年
・本部: カナダ
・会長(President): Jim Hughes

・政治的なロビイスト団体(Wikipedia
         ※ カナダ当局登録情報だと、現在は「ロビー非活動」状態。
・他の幾つかの団体とともに、国連会議に対する「プロライフ」ロビー活動の先駆けとなった。

CLCの会長であるJim Hughesは、1970年代からプロライフ運動に関わっており、他のプロライフ関連の国際的な団体では「International Right to Life Federation」の副会長のメンバーを務めています。プロライフ界隈では有名人物なのだろうと思われます。

LifeSite freemasonry

Jim Hughes: LifeSiteの記事より転載

【所感】後ろのCLCのポスターを見て、短絡思考の私は「プロビデンスの目」を想起しました。一つ目はよくあるデザインなのかもしれませんが…。

 

★ おまけ: 一つ目デザイン
真実を捉えようとする目と、組織による監視の目。

Kino-Glaz キノ・グラース

ジガ・ヴェルトフによるソ連のドキュメンタリー映画『キノ・グラース(映画眼)』(1924年)

ジョージ・オーウェル

ジョージ・オーウェル作『1984』


参照ページURL
https://www.lifesitenews.com/about
https://www.lifesitenews.com/contact
https://www.lifesitenews.com/advertise
https://www.lifesitenews.com/news/its-time-to-take-the-fight-to-those-who-attack-the-truth
https://www.campaignlifecoalition.com/about-us

About

※ 2018年7月2日PM: 公開後に修正・加筆しました。
CLCに関して、LifeSiteの運営団体 ⇒ 設立団体

※ 2018年7月7日: CLCの現在のロビー非活動情報(The Office of the Commissioner of Lobbying of Canadaサイトより)について追記しました。