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アメリカで献げられた特別形式の荘厳司教ミサ(2019年11月16日)

昨日11月16日土曜日に、アメリカ合衆国でサンフランシスコの大司教様司式による特別形式(所謂トリエント・ミサ)の荘厳司教ミサが献げられました。場所はワシントンD.C.の無原罪の御宿りの聖母教会(The Basilica of the National Shrine of the Immaculate Conception)です。

メジャーなカトリックメディアであるEWTN(Mother Angelicaが創設)がミサ聖祭の様子をテレビとYouTubeで生中継しました。

00:45頃- 音声が聞こえ始める
05:20頃- 映像が聖堂内の様子に切り替わる
19:00頃- ミサ聖祭
ミサ聖祭後に歌われるのはSalve Regina(編曲版)

御ミサの前に大司教様が祭服をご着用なさる様子、御ミサの後にカソックをお召しになる様子も放映されています。

Catholic Herald誌の記事によると、司式されたSalvatore Cordileone大司教様(英Wikipedia)は5年前にBenedict XVI Institute for Sacred Music and Divine Worshipを設立しました。この機関のミッションは、美しい典礼を通して神へ至る美の扉を開くことと、カトリックの芸術文化を活性化することです。機関の公式サイトによると、設立場所はサンフランシスコです。

今回の荘厳司教ミサは、「グアダルーペの聖母」と「無原罪の御宿りの聖母」の両称号のもとに童貞聖マリアを称えるもので、“The Mass of the Americas”(アメリカ大陸のミサ)と名付けられています。このミサ聖祭のために新しいミサ曲が作られ、作曲者は上述機関のメンバーであるFrank La Rocca氏です。ミサ曲は伝統的な典礼音楽のスタイルでありつつ、聖母を称えるメキシコの伝統的民族音楽の聖歌を取り入れているとのことです。

私は典礼音楽には詳しくないので今回の新作の良し悪し悪しは分かりませんが、興味深い試みだと思いました。


Salvatore Cordileone大司教様は、Catholic Herald誌の記者に対してこう語っています。「多くの壊滅的なスキャンダル、罪、問題のなかで、今日教会が直面している最大の危機は、神聖な感覚の喪失です。」「美には心と魂を神の現存へと引き上げる力があります。

アップロードされたミサ聖祭のYouTube動画を見ると、典礼や音楽の美しさだけではなく、秩序の美も感じられます。聖体拝領のときも、信徒達は皆横一列に跪いて、安らかな雰囲気の中で拝領しています。御聖堂も美しいネオ・ビザンティン様式の建築と内装です。

グアダルーペの聖母

インターネットを通して様々な情報を読む限り、アメリカも小教区によっては依然として典礼における悲惨な問題を抱えているようであり、荘厳司教ミサもめったに献げられないとのことですが、それでも、日本より遙かに特別形式ミサが受け入れられている状況です。

日本においては、特別形式ミサ(トリエント・ミサ)と聞くと「伝統主義者だけが好むミサ」「復古主義」等々の否定的な意見を述べる信徒が少なくないように思われます。しかしながら、動画を見るとおよそ「伝統主義者」ではないであろう神の愛の宣教者会(マザー・テレサが創立)のシスター達も御ミサに与っていることが分かります。(そういえば、同宣教会のシスター達はカトリック・アクション同志会主催による荘厳司教ミサにも与っておられました。)

今回のアメリカでのミサ聖祭を含む、特別形式ミサを支持する動きについて、日本でもカトリックのメジャーな媒体によって報道されて欲しいと思います。信徒達を情報鎖国状態におくのではなく・・・。

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