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司式司祭が御聖体を授与しない聖イグナチオ教会の英語ミサ(2020年1月)

昨日1月19日の主日に、聖イグナチオ教会での英語ミサにあずかってみました。12時開始の御ミサです。

ショックを受けたのは、司式司祭が信徒へ御聖体を授けず、(臨時ではない)聖体奉仕者(1)のみに授与をまかせていたことです。

昨日の英語ミサはYouth Groupが主催するインターナショナル・ミサだったようで(2)、ポップスのメロディーの聖歌を、アンプに繋いだギターと「カホン」と思われる木製箱形の打楽器参考画像で若者たちが演奏する「入祭の歌」からはじまりました。東京教区の英語ミサであれば想定内の出来事なので、これにはショックを受けませんでした。

司式司祭のお説教は、英語リスニング力のない自分が把握できた限りでは、特に変わった内容はなかったように思います。

聖体拝領の時間になって、聖体奉仕者が5-6人ほど出てきたときも、聖イグナチオ教会での通常の光景なのでショックは受けませんでした。

しかしその後、聖体奉仕者たちが御聖体を授けている間にも司式司祭は祭壇上の祭具の片付けに専念されており、片付けが終わったら、御聖体を授けることなく椅子に腰掛けられたのです! 御着席のあとも、聖体奉仕者のみの聖体授与は長らく続いていました。御聖体を授与するという職務は彼らに全く任せっきりでした。

内心、「聖イグナチオ教会もここまで堕ちたか…」と思いつつショッキングな光景を見ていました。昨年拙ブログでアンケートを依頼させていただいたときに、司式司祭が御聖体を授与しない事例について2名よりご報告を受けて驚いたのですが(アンケート【A】Q10 被害者からのコメントとブログコメント欄)、実際に私自身もこの目で見るとは思ってもみませんでした。
(会衆の信徒たちへ聖体を授与する前の「聖体奉仕者」に対して、司式司祭が御聖体を授与したかどうかについては見ていないので分かりません。)

拝領の時間における信徒たちの反応を見るに、司式司祭が御聖体を授与しないことに対して驚いている様子ではありませんでした。今回が初めての事態ではないのかもしれません。(毎回のことでもないのかもしれませんが。)2-3年前頃に聖イグナチオ教会での英語ミサにあずかった前回は、聖体奉仕者こそ多くても司式司祭は御聖体を授与していたような覚えがあるのですが、いつから司式司祭が御聖体を授与しない形式が導入されたのでしょうか…。

結局、昨日は御聖体を拝領せず霊的聖体拝領としました。


教会法においても、御聖体を司祭が授与することについて明確に規定されています。

第910条 (1) 聖体授与の通常の奉仕者は、司教、司祭および助祭である。

(2) 聖体授与の臨時の奉仕者は、祭壇奉仕者及び第230条第3項の規定に従って委任された他のキリスト信者である。

『カトリック新教会法典』有斐閣、p.501

指針『あがないの秘跡』にも、典礼規則として聖体授与が司式司祭の務めだと書かれています。

88 (…略…)聖体を授与するのは司式司祭の務めである。その際、他の司祭や助祭の助けを受けることもある。(…) 必要がある場合にのみ、法の規定に従って、臨時の奉仕者が司式司祭を助けることができる。

教皇庁典礼秘跡省、指針『あがないの秘跡』カトリック中央協議会、pp.63-64

日本の教会に多大な影響力を持つイエズス会が、聖イグナチオ教会において忌まわしいとくせいの違反行為を犯しているとは嘆かわしい限りです。

目撃の記録として、今回の件について記事として残します。


なお、御聖体を拝領した後に、床に跪いて祈る方がちらほらいらっしゃいました。聖イグナチオ教会は英語ミサでも聖変化のときの跪きは「なし」ですが(英語ミサの信徒も跪かないようにと指導されているとの噂を聞いたことがあります)、やはり跪いて祈りたい方々はおられるのだと思いました。需要があるのに、以前あったと聞く「出し入れ式の個人用跪き台」は復活しないのでしょうか・・・。

◆ 追記
本記事へのコメントを受けて、関連記事を書きました。
聖イグナチオ教会で司式司祭が御聖体を授与しない事例は、これまでも複数回あったとのこと

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(1) 聖イグナチオ教会では、教会発行印刷物や日本語の公式Webサイトにおいて、(平信徒の)聖体奉仕者を表す語句として「聖体授与の臨時の奉仕者」や「臨時の聖体奉仕者」と書かずに、単に「聖体奉仕者」だと表記しています。

2018年7月の拙ブログ記事「司祭の手は聖別されるが、平信徒の手は非聖別」でもその旨を書きましたが、2020年1月現在も状況に変わりはありません。「臨時」ではないという実際通りの記載ではあるのですが。

(2) 聖イグナチオ教会 英語公式サイトのページ「Upcoming Schedule and
Events for January 2020
」にも「International Mass (Youth Group) 12:00 NN」と掲載されています。