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【カトリック新聞】 共産党の偽司祭養成 (1949年10月16日付)

1949年(昭和24年)10月16日付けカトリック新聞より

共産党の偽司祭養成  五千人が偽神学校に在学

ヴァチカン放送は最近偽司祭を養成している共産党の神学校の実情を明らかにして大要次のとおり報じた。この神学校はコミンフォルムの中にあるデシンスフォルムという機関の下に運営され、その幾つかはソ連内及び衛生諸国にある。

この機関が擁しているのは司祭職をすてた人々、元神学生等であり、その上の重要目的は純粋な宗教の名の下に信徒を分裂させ、教会の頭、特にローマ聖庁の権威をくつがえし福音的清貧へかえることを目ざしているというキリスト教共産主義運動の進歩的キリスト者改革運動を組織することなどである。

デシンスフォルムは聖職者の行動の欠点を見つけ出し、また大衆に信頼されるような貧しい然し抱負のある司祭を見つけ出せと指示している。その最もよい働き手は、教会の影響は教会の四方の壁の中だけにとじこめられ公共生活とは分離されるべきだと思っているような司祭やカトリック団体の指導者達である。

これらの学校は本拠をモスコー郊外におき北欧方面の活動のためにはリトアニア、極東のためにはシベリアにおかれ、その他ルーマニア、フェオドシア、クリミア等にあり、在学するものは約五千と伝えられている。

デシンスフォルムの企画は昨年末にできたものでコミンフォルム書記長と故グレゴリ・ディミトロフの下に協議された。この機関は秘密裏に活動しそれについては共産党の地区幹部もしらないといわれる。(NCロンドン九月八日)


※ 本文中の句読点については、一部編集させていただきました。
※ 「進歩的キリスト者改革運動」の「者」は、印刷がかすれているため推測による打ち込みです。

用語集
コミンフォルム: 
共産党・労働者党情報局の略称。第2次世界大戦直後のソ連圏におけるイデオロギー統一のための国際組織。
1947年9月、ヨーロッパ9ヵ国の共産党および労働者党が、相互の連携強化と情報交換を目的として創設。ソ連共産党の指導下にあったが、「スターリン批判」後の1956年に解散。

当初の参加政党は、ユーゴスラビア、ブルガリア、ソ連、フランス、チェコスロバキア、イタリアの各共産党、ルーマニア労働者党、ハンガリー勤労者党、ポーランド統一労働者党の9つであったが、48年6月、プロレタリア国際主義に反する反ソ的態度、ブルジョア民族主義的偏向などの理由でユーゴスラビア共産党が除名された。

グレゴリ・ディミトロフ
ゲオルギ・ディミトロフ(英語表記 Georgi Dimitrov)。1882年 – 1949年7月2日。
ブルガリアの政治家、革命家、共産党指導者。元・ブルガリア首相。

※ 用語集は、コトバンクに掲載されている各事典の掲載文をもとに作成、転載しております。


「純粋な宗教の名の下に信徒を分裂させる」、「ローマ聖庁の権威をくつがえし福音的清貧へかえることを目ざしているというキリスト教共産主義運動の進歩的キリスト者改革運動」、「大衆に信頼されるような貧しい、然し抱負のある司祭」あたりが特に気になりました。