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アマゾン・シノドス | パチャママ像はテヴェレ川へ沈む。そしてフォード財団の件は更に追求されるのか。

pachamama sink into the tiber riber(パチャママ像テヴェレ川へ沈む)

アマゾン・シノドスで物議を醸し出していたパチャママ像が、何者かによってテヴェレ川へ放り込まれました。

パチャママ(Pachamama):アンデス山脈にて信仰されている、豊穣を司る「母なる大地」の女神。アマゾン・シノドスに持ち込まれたパチャママ像について、聖職者のなかには「聖マリア」の像だと説明する者もいる。

教会から持ち出したパチャママ像をテヴェレ川へ放り込む

「狂騒」団に貸し出されている、バチカン傍にあるカルメル会の教会(Chiesa di Santa Maria in Traspontina)から何者かが同像5体を持ち出し、川へ投げ込むまでを撮影したYouTubeへの投稿動画が話題になっています。投稿日は10月21日です(現地時間)。

本件、詳しくは以下Catholic Heraldの記事をご参照ください。

Amazonian statues thrown into River Tiber
https://catholicherald.co.uk/news/2019/10/21/amazonian-statues-thrown-into-river-tiber/

この像は、アマゾン・シノドスが始まる2日前のバチカン庭園での植樹式(10月4日)にて初登場しました。その後も、上記カルメル会の教会内(聖体ランプ点灯中)にレインボー色のネット等々とともに床に並べ置かれていたり、シノドス会場の教皇様他参加者席の目の前の床に置かれたりなどと、あらゆる場面において登場し、撮影され、インターネット上で激しい物議を醸し出す存在でした。(この記事には画像や動画を掲載しませんが、気になる方はご検索願います。)

個人的には、マリア様に対する冒涜が込められたように思われる像が取り払われて良かったと大いに安堵しています。今後、この「盗難」事件(所有者達にとっては持ち出しではなく盗難)に対してアマゾン・シノドス関係者がどのような反応をするか、見守りたいと思います。

アマゾン・シノドス運営組織の上位団体他は、中絶を支持するフォード財団から資金提供を受けている

フォード財団による資金提供問題について追及された記者会見: 資金受領理由は明言されず

relationship diagram_Amazon synod (repam, ford, cimi):アマゾン・シノドス相関図

フォード財団問題の相関図(クリック/タップで拡大)

(注: 以下、団体名が多く出てきて混乱するかもしれません。上掲の相関図をご参照願います。もしかすれば私の理解が誤っているがために、一部間違いがあるかもしれません。)


さる10月17日には、アマゾン・シノドスの記者会見にて記者Edward Pentin氏(The National Catholic Register紙; EWTN所有・運営)がフォード財団との関係を追求する以下2点の鋭い質問を投げかけました。

  • [フォード財団から資金を提供された証拠を示した後:] なぜCIMI(先住民宣教協議会)がフォード財団から資金を受け取っているのか。
  • この資金はREPAM【英】The Pan Amazonian Ecclesial Network; CIMI他の団体が共同設立したアマゾン・シノドスの主要運営組織)およびアマゾン・シノドスへも提供されたのか。

フォード財団: 気候変動の緩和活動の支援をしている「慈善団体」であり、且つ中絶支持団体。ジェンダー・イデオロギーやLGBTの活動も支援している。
 参考: http://www.ncregister.com/daily-news/ford-foundation

この質問に対し、CIMIの長であるブラジルのRoque Paloschi大司教は「CIMIの資金はCIMIのもの、REPAMの資金はREPAMのもの」「既にブラジルの議会調査委員会による調査を受けたが、起訴されなかった」などと回答しました。ただし、フォード財団から資金を受け取っている理由については明らかにしませんでした。

翌18日の会見でも、この理由は明言されません。会見に臨んだのはブラジルのMário Antônio大司教と、平信徒のMauricio López Oropeza氏です。前者はブラジル司教協議会(CNBB; ICMIは関連団体&REPAMの共同設立団体)の副会長であり、後者は REPAMの事務総長(executive secretary)です。

大司教は「私は中絶に反対している」「資金は女性、子供、妊婦、高齢者の生活促進のために使われている」とコメントしました。Mauricio López Oropeza氏は「REPAMは機関(institution)ではなくネットワーク。なので独自の資金は持っていない」と述べました。

ブラジルのジャーナリスト「他にも資金提供団体がある」

当該資金提供の証拠については、ブラジルのカトリックジャーナリストであるBernardo Pires Küster氏が最初に発見したようです。

フォード財団は2006年からREPAMに数百万ドル(数億円)の資金を提供していると同氏は主張しています。加えて、CIMIとREPAMの財務報告は公表されておらず、資金調達の中身は不透明であること。フォード財団だけではなく、Rainforest Foundation(熱帯雨林財団)やノルウェー政府も資金を提供していることをRegister紙に語っています

本件、今後更なる真相究明が待たれます。

国連との関係性:締約国会議、SDGs

上掲の相関図にも記載しましたが、フォード財団から資金を受領していた CIMI(先住民宣教協議会)や関連団体のCOICA(アマゾン先住民組織連合)などは国連・気候変動枠組条約の締約国会議に参加するなどの活動もしているようです。

国連といえば、2015年にSDGs(持続可能な開発目標)を採択しました。SDGsでは2016年から2030年までに達成すべき17の目標、目標達成の169のターゲット、進捗測定のためのグローバル指標を設定しています。

17つの目標のうち、13番気候変動問題のための緊急対策です。アマゾン・シノドスでも同様にこの問題について協議されています。

目標13「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」
13がフリーメイソンに好まれる数字でもあることは単なる偶然なのか?

カリタス公式サイトのREPAM紹介ページでもSDGsに関する紹介がなされています。調べてみると、アマゾン・シノドス関連団体ではないカトリック教会の団体でもSDGsについて取り組んでいるところがあるようです。

【余談1】
このSDGsですが、「近代的手法」による家族計画(避妊)に関するターゲットも設定されています。カトリックの団体が教会の教えに反するSDGsを推進するのは問題だと思います。(教会の教えに反しないターゲット項目だけ取り組むので、問題ないという安易な姿勢なのでしょうか・・・?)

 目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」達成のためのターゲット3.7(左)と指標(右)

目標5「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」達成のためのターゲット5.6(左)と指標(右)

ターゲットと指標の出典: 総務省Webサイトより


【余談2】
日本においては、2016年5月に政府が「SDGs推進本部」を発足しました。今や日本の様々な企業、学校、団体がSDGs達成のための取り組みに参画しています。

2019年はアッシジでの宗教対話集会から33年後である

アマゾン・シノドスの話に戻ります。

アマゾン・シノドスは、1986年にアッシジで開催された宗教対話集会「世界平和の祈りの集い」(【英】World Day of Prayer for Peace)を彷彿とさせるとの声も聞かれます。

アッシジでの「世界平和の祈りの集い」の開催日は1986年10月27日(月)でした。

アマゾン・シノドスの開催期間は2019年10月6日(日)から27日(日)までです。同じ10月27日です。

アッシジの聖フランシスコの祝日である10月4日に上述のバチカン庭園での植樹式が催されたので、やはり聖座やシノドスの関連団体としてもこれら2つの「集い」を関連づけて考えているのかもしれません。

 アッシジ:1986年10月27日。聖座Webサイトより

 アマゾン・シノドス:2019年10月6日-27日。バチカンニュースより

さて、1986年の33年後が2019年です。33はフリーメイソンにちなんだ数字ですね・・・。

単なる偶然かもしれませんが、アマゾン・シノドスがおかしな結論で以て終わることのないように祈るばかりです。

アッシジの聖フランシスコ
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聖フランシスコ、我等のために祈り給え。


出典記事(Register紙)

Pro-Abortion Ford Foundation Major Funder of Key Synod Organizations (Oct. 17, 2019)

Ford Foundation Funding for Key Synod Participants Discussed Again Today (Oct. 18, 2019)

参照ページ

独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構「ブラジル連邦共和国の投資環境調査2005年」(平成18年12月)(PDF
 ※ pp.97-98にブラジルの「先住民関係団体」の略称と日本語名称が掲載されています。COIABなど記載あり。

SDGs関連サイトより「COP23|先住民の協議参加の基盤がついに示される」(ニュース記事のPDF