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聖母を冒涜する映画が聖金曜日に公開される予定 ~2021年は「グレート・リセット」の年~

今年の4月2日聖金曜日に聖母マリア様を冒涜するホラー映画『The Unholy』がアメリカで公開されます。配給はソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントです。

昨日IMDb(インターネット・ムービー・データベース)にアクセスしたら、トップページにこの映画の画像と予告編へのリンクが表示されていました。それで、映画について知ったという次第です。

あらすじは以下の通りです。

聴覚障害を持つ少女アリスのもとに、「聖母マリア」が訪れる。突然、彼女は耳が聞こえるように、言葉を話せるように、病人を癒やせるようになる。噂が広まる。アリスの奇跡を見ようと遠方からも人々が集まってくるなかで、キャリアの再起を願う、失脚したジャーナリスト(ジェフリー・ディーン・モーガン)がニューイングランドの小さな町を訪れる。恐ろしい出来事が起こりはじめる。果たしてこれは「聖母」による仕業なのか、それとも、より邪悪なものなのか?と彼は疑問に思いはじめる。

映画の原作は、ジェームズ・ハーバートのベストセラー・ホラー小説『Shrine』(1983年)です。監督・脚本を担当したのはエヴァン・スピリオトポウロス(『美女と野獣』(2017年)の脚本)。製作は同監督に加えて、サム・ライミ(『死霊のはらわた』(1981年)、『スパイダーマン』(2002年)シリーズ)とロブ・タパート(ロバート・タパートとも。サム・ライミのホラー映画などをプロデュース)です。

画像出典:映画公式サイト

さて、映画のポスター画像を見るに、白い「聖母」の御像の節くれ立った手は異様に大きく、指の先端が尖ったグロテスクな形状です。手にあるロザリオには逆さ十字架がついています。“BE CAREFUL WHO YOU PRAY TO”(祈る相手には気をつけて)のコピーつきです。

2021年3月12日からYouTubeにアップされている予告編においては、聖堂に安置されている聖母の御像から黒い涙が流れるシーンや、聖母のような服装を身にまとった何者かが聖職者などの人々を攻撃するシーンが見られます。

ですので、原作を読んでいないので断言はできませんが、悪魔の類が偽聖母の正体だろうと考えられます。

また、予告編ではアリスと聖職者と集まってきた人々による奇怪な雰囲気の集会も印象的です。“Hail Mary, full of grace…”と天使祝詞をアリスが唱える声や、シューベルトの“Ave Maria”をアレンジした曲もバックに流れます。

途中で「THIS EASTER」(今年のイースター)の文字が大きく映し出されて、イースターシーズン、すなわち復活節に上映されることを強調します。

最後には「聖金曜日 4月2日」に劇場公開だと示して終わります。

偽聖母の正体が悪魔という設定であろうが、聖母を冒涜する表現および内容の映画をわざわざ聖金曜日に公開するとは、確信犯です。


プランデミック/偽パンデミックである新型コロナ騒動に加えて、「グレート・リセット」をテーマとして掲げる今年の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が2021年8月開催予定という最中の公開であることも気になります。

イタリア人の哲学者であるRenato Cristin教授は「グレート・リセット」について、資本主義を共産化する、社会をテクノクラート化する、世俗化(非宗教化)を助長する、非キリスト教化社会への道を開くものだと警告しています。

「宗教的次元の喪失(したがって、聖なるものの感覚の消失)は、世俗化の結果です。世俗化は厳密な意味で教会や信者に影響を与えるだけでなく、虚無主義的な世俗主義を生み出し、西洋社会全体にダメージを与えます。その世俗的機関や国家の構造においてさえにもです。(…)グレート・リセットの理論は世俗化を助長し、西洋文明の基礎となる核、すなわち伝統的な宗教領域を奪われた非キリスト教化社会への道を開くものです。」
(2021年2月5日付け、カトリック記者Edward Pentin氏の個人サイト記事「Italian Philosopher: The Great Reset ‘Feeds Secularization’ and Paves Way for ‘De-Christianized Society’」より)

聖母を冒涜する映画が聖金曜日に公開された後、非キリスト教化社会への道を開く「グレート・リセット」の会議が同じ年に開催されるとは何たる偶然でしょうか。1983年発売の原作小説を何故今ごろになって映画化するのでしょうか。

(なお、小説『Shrine』の映画化についておそらく初めて報じられた時期は2018年12月3日であり、撮影開始は2020年2月だったようです。こじつけかもしれませんが、2018年にはカトリックがテーマの冒涜的なファッションイベント「メットガラ2018」も開催されましたね(拙ブログ記事)。)

ともかくも、不穏なものを強烈に感じる映画であり、世相です。種々の冒涜の償いのために祈りたく存じます。

予告編中に映し出されるバチカンの聖ペトロ大聖堂と広場

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