2日遅れですが、主の御降誕おめでとうございます。
さて、先般の12月22日付教皇庁広報部発信コミュニケ(公式声明)で述べられた新型コロナワクチン接種支持は、同日に公表されたバチカンのCovid-19委員会および教皇庁生命アカデミーによる2つの文書を受けたものです。同アカデミー文書の原版には「5歳以上の子供への新型コロナワクチン接種推奨」文章が含まれており、それを教皇庁国務省が直接介入して削除させた模様です。
イタリアのカトリックニュースサイトLa Nuova Bussola Quotidianaに掲載されたリッカルド・カショーリ氏による12月24日付記事の一部を紹介いたします。(例によって、機械翻訳に頼っているので、ところどころ日本語が妙なところがあると思います。)
子供へのワクチン、教会トップの戦争
5歳以上の子どもへのワクチン接種推奨の文面は、もともと教皇庁生命アカデミー(PAV)の文書に含まれていたものの、土壇場になって国務省によって削除されましたが、通信社の発表と記者会見とに再登場しました。そして、Avvenire紙〔イタリア司教協議会の新聞〕も国務省へ挑みます。
悪魔は鍋を作っても、蓋を作らない〔イタリアの諺:どんなにひそかにネガティブなことが行われたとしても、不正行為が長く隠されたままになることはなく、遅かれ早かれ不正行為が発見されること(出典)〕というのは本当にその通りです。そして不思議なことに、この格言はバチカン自体では忘れられていることが多いのです。そこで、12月22日(水)にバチカンで発表され、昨日報じた「子供とCovid」に関する2つの文書についての、更に別のグロテスクな「事件」を書き記しておかなければなりません。ご存知のように、この2つの文書には、モンシニョール・ヴィンチェンツォ・パリア〔大司教〕が率いる教皇庁生命アカデミー(PAV)と、ピーター・タークソン枢機卿が率いるバチカンの「Covid-19委員会」の署名があります(タークソン枢機卿は、教皇から人間開発省の長官を解任されました。したがって、Covid-19委員会の委員長も解任されたことが昨日確認されました)。
さて、昨日Adnkronos社は、公式には文書に掲載されていないパラグラフ、つまり5歳以上の子供へのワクチン接種の推奨について報じました。「子供のワクチン接種を推進する聖座」は、確かに一面トップニュースだったことでしょう。
Adnkronos社の記事本文には、『バチカンも5歳以上の新型コロナワクチン接種を「推奨できる」と考えている(Il Vaticano ritiene inoltre “raccomandabile” la vaccinazione anti Covid al di sopra dei cinque anni)』と書かれています。特に、ヴィンチェンツォ・パリア師が議長を務める教皇庁生命アカデミーは、「5歳以上の未成年者へのmRNAワクチンの接種は、リスクと比較してメリットが大きいことを考慮した上で、広く承認されている」と言及しています。今日発表された文書によると、「この機会」の結果として、「幾つかの国では、各国政府が規制する様々な形態や制限のもとで、子供や青少年へのワクチン接種の可能性を広げています。ここで強調しておきたいのは、現在のパンデミックの拡大の状況と、承認されたワクチンの品質とを考慮すれば、5歳以上の子供へのワクチン接種が望ましいと考えられるということです。それは、世界中に公平にワクチンを配分することとも一致しています。禁忌〔特定の医薬品に対する体の拒否反応〕や起こりうる副作用は」―教皇庁生命アカデミーはこう述べます―「得られる効果に比べてたいしたことはありません。この年齢以下〔の子供への接種〕については、どのように取り進めていくべきかを更に明確にするための研究と評価が行われています」。
このパラグラフはどこから来たのでしょうか? 私たちが調査したところによると、このパラグラフは実際にはオリジナルの文書に含まれていたものの、公表前に国務省が直接介入して削除されてしまったものです。また、この2つの文書の最後に掲載されている、「ワクチンを支持する聖座の立場を再度述べる」という、誰の署名もなく、国務省そのものに起因する奇妙で且つ異例である聖座のコミュニケ(公式声明)にも説明がつきます。明らかにこれは、子供へのワクチン接種を「カット」したことに対する教皇庁生命アカデミーへの埋め合わせ、つまりは妥協の形なのです。政治色の強いこのパラグラフは、教皇庁生命アカデミーとCovid委員会の活動に意味を与えるものです。というのは、全体としてみればどちらかといえば平凡に見える2つの文書が華々しく紹介されるのは、実に不可解だったからです。
このカットが国務省長官〔ピエトロ・パロリン枢機卿〕へ提案された理由は分かりませんが、推測するのは簡単です。聖座のワクチン戦線に問題はありませんが ― そして、これは昨日公布されたバチカン市国の居住者と労働者にスーパーグリーンパスを義務付ける新規則にも実証されています ―、この問題は科学的にも道徳的にも広く議論されており、すでに教会内では深い溝ができています。
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とはいえ、国務省の妨害は半分しか成功しませんでした。問題のパラグラフは、最終文書に含まれているかのようにAdnkronos社が掲載しました。教皇庁生命アカデミーの広報部が、差し止めされた原稿を同社へ渡していないと断言していることから考えると、同アカデミーのメンバーの誰かが渡し、〔その後に〕文章が修正されたと警告するのを「忘れた」のは明らかです。単なる不注意なのか、それとも国務省の妨害を回避しようとしたのか。断言はできませんが、後者の可能性を示唆するものもあります。記者会見では、ローマのBambin Gesù〔幼子イエズス〕病院における小児科・感染症部長のAlberto Villani教授が「ワクチンは安全で効果的なので、子供達にはワクチンを接種してほしい」と呼びかけました。「全ての子供達は、自分と家族の健康(ウェルビーイング)とを守る権利を保持しています」。そして、それはイタリア司教協議会の新聞「Avvenire」紙が「子供のためのワクチンに賛成、それは愛の行為」という見出しをつけるのに十分でした。
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※色による強調、Adnkronos社記事のキャプチャ画像、〔〕の括弧は当サイト管理人による。
教皇庁生命アカデミーの文書原版にあったという「禁忌や副作用はたいしたことがない」との見解は大変酷いですね。やはりここでも、万単位で亡くなっている接種後死亡を含む、夥しい数の重篤副作用については述べていません。
バチカンのワクチン大推奨は甚だしく有害ですが、さすがに5歳以上の子供への接種推奨は国務省が止めたというのは、若干の良識派がおられるということでしょうか。それは、新型コロナワクチン推奨方針について反対意見を述べたくとも、その意見を表明できない「口をマスクされた」方なのでしょうか・・・。
参考
教皇庁生命アカデミーによるおかしな文書・声明
この2件について、以下拙記事にて紹介しています。
教皇庁生命アカデミー、地球環境問題と新型コロナウイルス、ワクチン副作用について(2020年9月10日付)
当該拙記事より再掲
「1994年に設立された教皇庁生命アカデミーは、人間の生命に関する教会の教えに反する主張を唱える非カトリック信徒でも、いまやメンバーとして選出されています。妊娠18週までの中絶を認める聖公会の哲学者や、40日より前の胚は人間の状態ではないと言うユダヤ教のラビがメンバーに選ばれたと、2017年に報道されています。プロライフ活動で有名なカトリックの聖職者と平信徒もメンバーにおられるようですが・・・。
個人的には、全幅の信頼を置ける機関だとは思えません。」
聖なるすべての使徒および福音史家、われらのために祈り給え。
2021年12月27日 福音史家、使徒、聖ヨハネ