1891年5月15日にレオ13世教皇聖下が公布した回勅『レールム・ノヴァルム』(Rerum Novarum)(英訳)の日本語訳が、かつて日本カトリック刊行会(※)から発行されていました。
手元にある同訳文を一部修正して、以下のページにて公開しました。
※当時、山本信次郎少将が代表を務めていた。
2026年は同回勅の公布から135年になります。
社会構造の変革により当時の労働者が陥った悲惨な状況に対して、レオ13世教皇聖下が、宗教と教会との助けがなければ何らの解決を見出すことのできない問題だと捉えて詳述した回勅は長大ですが、読み応えがあります。訳文も重厚です。
『レールム・ノヴァルム』発布40周年にあたって、1931年にピオ11世教皇聖下が公布した『クアドラゼジモ・アンノ』(Quadragesimo anno)(英訳)においては、冒頭の2割強を『レールム・ノヴァルム』の発布当時の状況や影響などについて詳しく述べられています。こちらも併せて読むと理解が深まると思われます。
組合権(団結権)への影響は有名ですね。
かれら〔主要強国の為政者たち〕が、労働者の労働を正義と衡平とによって律するために与えた規範のなかには、レオ十三世の原則と指針とにぴったりと合致していて、あきらかにこれから取ったと思われる多くの措置が採用されている。
(ピオ十一世著、岳野慶作訳解『クアドラゼジモ・アンノ』pp.22-23)
1919年に締結されたヴェルサイユ条約には、第13編「労働」における労働者に関する条項に『レールム・ノヴァルム』の諸原理が反映されています。たとえば、組合権、生活賃金、週休制、児童の保護、国家が労働立法を実施させる義務などです。
同条約に基づいて発足した国際労働機関(ILO)に日本も加入しています。
現代日本で働く人たちにも『レールム・ノヴァルム』の影響が及んでいます。
レオ14世教皇聖下による人工知能に関する回勅が話題を呼んでいますが、これを機に、古典かつ原点と言える『レールム・ノヴァルム』を読むのは良い機会かもしれません。
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