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新型コロナウイルス対策として、御聖体の袋詰め案が出たイタリア。ドイツでは実施例あり(サラ枢機卿様インタビュー)

画像出典:Daily Compass

2020年5月2日に、典礼秘跡省長官・サラ枢機卿様への独占インタビュー記事がイタリアのカトリックニュースサイトLa Nuova Bussola Quotidianaと、同サイト英語版のDaily Compass(1)に掲載されました。

内容は、「御聖体を袋詰めしてテイクアウトする」という冒涜的な新型コロナウイルス対策案についての問題が中心です。手か口(舌)かという拝領の方法、ストリーミング配信によるミサ聖祭の件についても話題が及んでいます。

記事の英語版をもとにインタビュー部分を訳してみました。以下、拙訳を掲載します。

※ 本記事の最後に、イタリアでの条件つきのミサ再開(5/18(月))についても追記しております。

注釈
• 英語版記事ではイタリア語版にある文や情報(イタリア司教協議会関連など)が省略されていたりするので、ところどころ省略部分を挿入しています。

• 独占インタビュー記事は、当該ニュースサイトの設立者であるリッカルド・カショーリ氏 (邦訳著『環境活動家のウソ八百』)(2)が書いています。(インタビュアーと同氏が同一人物かどうかについては、記事に書かれていないためよく分かりません。)


インタビュー記事「サラ枢機卿『冒涜は止めなければなりません。御聖体は交渉不可能です』」(Sarah: profanities have to stop, the Eucharist isn’t negotiable)より

インタビューの解説文

「それは信仰の問題です。ミサ聖祭で何を執り行っているのか、御聖体とは何であるかについて本当に理解していれば、ある種の御聖体の配布方法が頭に浮かぶことさえないでしょう。」

信徒は聖なるミサを剥奪されただけでなく、イタリア司教協議会(CEI)と政府間の交渉に目下動揺しています。公開ミサの限定再開を視野に入れ、御聖体の配布にまで踏み込んでいるこの交渉においては、衛生的な安全性を保証するために奇怪な提案が進められています。サラ枢機卿(典礼秘跡省長官)はそのような信徒の「懸念」に対して公然と答えます。

インタビュー

ほんの二日前(2020年4月30日)、「ラ・スタンパ紙」(イタリアの新聞)のバチカン特派員は、政府の「専門家」の研究に対する様々な解決策を報道しました。この解決策は、御聖体拝領の瞬間を「非常に高い接触感染リスク」と考えているイタリア司教協議会との緊密な連携によるものです。そのなかには、キリストの御体を「袋詰めにする」提案があります。イタリアのカトリック信徒たちにミサ聖祭へ戻る許可を与え、汚染を避けるために、「DIY」の御聖体拝領を検討しています。司祭によって事前に聖別されたホスチアを「テイクアウト」する方法であり、ホスチアはビニール袋に個包装され、教会の棚に置かれます。

サラ枢機卿様「ノー、ノー、ノー(No, no, no)、 -サラ枢機卿は電話中にショックを受けて答えます- それは絶対にあり得ません。神は尊敬されて然るべきであり、袋に入れてはなりません。この愚にもつかないことを誰が考えたのかは分かりませんが、御聖体の剥奪が確かに苦しみであったとしても、拝領方法の問題について、交渉の余地はありません。私たちのもとにお越しになる神にふさわしい尊厳ある方法で、私たちは拝領するのです。御聖体は信仰で以て扱われなければなりません。御聖体を、ありふれた取るに足らないものとして扱うことはできません。私たちはスーパーにいるわけではないのです。これは完全に狂気の沙汰です。」

このようなことは、当コンパス誌が報道したように、ドイツではすでに実施されています(※)・・・。
「残念ながら、ドイツではカトリックとはもはや関係ないことが多く行われていますが、だからといって真似をする必要があるわけではありません。最近、ある司教の話を聞きましたが、将来的には聖体の集会はなくなり、御言葉みことばの典礼だけになるだろうとのことでした。しかし、これはプロテスタンティズムです。」

※ 2020年4月9日(聖木曜日)付け記事「イエズス会の冒涜:袋詰めされた御聖体
ミュンヘンのルートヴィヒ・マクシミリアン大学のHolger Adler神父(イエズス会士)発案による「冒涜」。紙袋に入った御聖体を家に持ち帰って、ストリーミングのミサ聖祭を見ながら使用するというもの。紙袋にはオリーブの枝、聖水、祈りのカードも同梱されている。

いつものように、「思いやりのある」理由が主流になっています。信徒は御聖体を必要としています。しばらくの間剥奪されていましたが、接触感染の危険性はいまだ高いので、妥協点を見つけなければなりません・・・
「絶対に明確にしなければならない問題点が二つあります。何よりもまず、御聖体拝領は権利や義務ではありません。御聖体は神から心置きなく受け取る賜物であり、尊崇の念と愛とをもってお迎えしなければなりません。主は人です。愛する人を袋に入れたり、その他不相応な待遇でもてなしたりする人はいません。御聖体の欠乏に対する答えは、冒涜であってはなりません。これはまさに信仰の問題であり、信じているのであれば御聖体を不相応に扱うはずがないのです。」

二つ目の問題点は?
「司祭が罪の告白を聴き、御聖体を授与することは誰にも止められませんし、司祭を止める権利も誰にもありません。秘跡は尊重されなければなりません。ですから、たとえミサ聖祭に与ることができなくても、信徒は告白と聖体拝領を要請することができます。」

ミサといえば、ストリーミングやテレビでのミサ挙式の広がりについてどう思われますか?
「私たちはそれに慣れることができません。神は受肉しました。生身の人間です。バーチャル・リアリティ(仮想現実)ではありません。また、司祭にとっても非常に誤解を招きやすいものです。ミサ聖祭において司祭は神を見なければなりませんが、代わりにカメラを見ることに慣れてしまい、まるでショーのようになってしまいます。このままではいけません。」

御聖体の話に戻りましょう。数週間後には、公開ミサが再開することを願っています。そして、さらに冒涜的な解決策とは別に、口か手による聖体拝領のどちらがより適切か、後者の場合はどのようにして手で拝領するのがよいか、という議論もあります。既にイタリア司教協議会は手による拝領を義務づけていますが、専門家によると、口での拝領の方が衛生的であるとのことです。どうすればよいのでしょうか。
「教会にはすでに規定があります。この規定が尊重されなければなりません。信徒は口でも手でも好きな方法で、御聖体を拝領することができます。」

近年、御聖体に対する明らかな攻撃が懸念されています。最初に、「すべての人のための御聖体」の旗印のもとに、離婚者と再婚者の問題が起こりました。それから、プロテスタントとのインターコミュニオン。その後、アマゾンや聖職者不足の地域で御聖体を拝領できるようにするための提案。今はコロナウイルス下のミサ聖祭・・・
「それは驚くことではありません。悪魔は御聖体を激しく攻撃します。御聖体が教会の生命の核心だからです。しかし、既に自著で書いているように、問題の核心は司祭における信仰の危機だと信じています。もし司祭がミサ聖祭とは何か、御聖体とは何であるかについて認識していれば、御聖体についてのある種の拝領方法や仮説が頭に浮かぶことさえもないでしょう。イエズス様はそのように取り扱われてはなりません。」(インタビュー翻訳終わり)


御聖体に対して「袋詰め」の冒涜が行われないように、祈るばかりです。「テイクアウト」により、黒ミサなどでの涜聖行為がなされる可能性もあります。

なお、「信徒は口でも『手でも』好きな方法で御聖体を拝領することができる」とは、現行規定の再確認としてのご発言だと個人的には理解しています。というのも、2018年に「手による聖体拝領は教会に対する『悪魔的攻撃』」、「跪いての舌による聖体拝領が御聖体の秘跡に対して大変ふさわしい」と強く主張されているからです。

NCRegister紙・Edward Pentin氏による上記独占インタビュー紹介記事(2020年5月5日付け)においても、2018年当時の「跪いての舌での聖体拝領」の御主張について言及しています。サラ枢機卿様のTwitterアカウントでも当該記事投稿をリツイートしているので、記事の内容に異存はないのではないかと拝察しています。本件、あくまでも個人的理解、推察の範疇ではありますが・・・。

◆追記
イタリアでは5月18日(月)より、条件つきで公開ミサを再開予定とのことです。マスクと手袋をして信徒の「手に」触れないように御聖体を授与する、ミサ参列者の数を制限する、社会的距離(対人距離)を1メートル確保する、信徒はマスク着用が義務づけられる、典礼後に教会を清掃・消毒すべき、聖歌集などの補助具の使用不可、ミサ前後に教会のドアを開放すべき、入口に手指消毒剤を用意する、などの条件だと報道されています。
ミサ聖祭中の「平和のあいさつ」を省略し、聖水盤は空にしたままにしておくべきという提言もあるようです。

報道されている限りでは、御聖体を袋詰めにしてテイクアウトする案は採択されていない模様です。

Public Masses to Resume in Italy From May 18(CNA・2020年5月7日)

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(1) La Nuova Bussola Quotidiana:
リッカルド・カショーリ氏により2012年11月に設立

(2) リッカルド・カショーリ氏:
教皇庁レジーナ・アポストロルム大学大学院で教鞭をとり、国連の環境・人口政策について講義した御経歴もあり。同大学教授であるアントニオ・ガスパリ氏との共著『環境活動家のウソ八百』(2008年、洋泉社)に書かれている内容(※)はアマゾン・シノドスともリンクします。カショーリ氏はアマゾン・シノドス会期中においても、同シノドスを取り巻く事柄や「パチャママ」に対して否定的な記事を書かれていました。

※ 優生学協会や産児制限運動に対して、ロックフェラー財団、フォード財団が莫大な資金援助をしていたこと。環境保護運動(エコロジー)も優生学をルーツとしていること、等々。

そして、アマゾン・シノドス運営組織の上位団体他は、中絶を支持するフォード財団から資金提供を受けています。

アマゾン・シノドス | パチャママ像はテヴェレ川へ沈む。そしてフォード財団の件は更に追求されるのか。

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サラ枢機卿「手による聖体拝領は教会に対する『悪魔的攻撃』の一つ」(英The Tablet誌より)