【アンケート】舌での聖体拝領に伴う被害についてにてお願いさせていただいたアンケートに対し、計 68名の方にご回答いただきました。様々な形でご協力いただいた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
皆様の声を集約したことで、日本の教会におけるひどい惨状が露わになりました。
アンケートによれば、24名もの信者が「舌での聖体拝領」による拒絶、叱責、侮辱を経験しています。被害回数、計 50回です。弱小個人ブログサイトでのアンケートにつき、実際の被害者数はもっと多いでしょう。既に故人となった被害者もおられると思います。
2007年8月に教皇庁指針『あがないの秘跡』(舌で受ける・跪いての聖体拝領は禁じられないことを再確認)の日本語訳が発行された後に、多くの被害が発生していることも分かりました。特に東京教区での被害者数は「あまりにも多過ぎ」です。
以下、集計結果を報告します。
(データを並べるだけだと流し読みされる傾向にあるので、所見をところどころ挟んでおります。)
アンケート集計結果報告
結果概要
・アンケート調査期間: 2019年5月31日 ~ 2019年7月3日(約1ヶ月間)
・集計方法: Googleフォーム
・回答人数合計: 68名
(信徒67名+洗礼志願者1名。信徒回答人数には2名分の代理回答含む)
・回答被害者数: 信徒 24名、洗礼志願者 1名
・被害数: 計 50回以上
(「以上」がつくのは被害「3回以上」の選択肢により)
・2007年8月に教皇庁典礼秘跡省 指針『あがないの秘跡』の日本語訳が発行された後の被害数が突出している。被害地域は東京教区が圧倒的に多い。福岡、横浜での被害報告がその次に多い。
注意点・補足
・今回のグラフ画像、集計データは自由にご使用いただいて構いません。
・被害者2名から目撃者としてもご回答いただきましたが、「アンケート回答人数合計」での重複カウントはしていません。
・複数の質問回答を複合して作成したデータについては、正確に区分けできない回答もあるため、実際の被害回答よりも少なく反映されております。
・以下の結果は信者 67名のみの回答となります。洗礼志願者1名の件については、前回の以下記事にて紹介しております。
洗礼志願者への「手による聖体拝領」の強要や洗礼拒絶をも生み出す、愛なき教会風土
Q. 1 今まで、司祭から(立ったままで または ひざまずいての)舌での聖体拝領を拒まれたり、叱責されたことがありますか?
※ 拒否・叱責後に拝領できた場合や、拝領後の叱責行為も含みます。
- 被害の経験がある: 24名 (全回答者数のうち36%)
- 被害の経験はないけれど、被害の現場を見たことがある: 9名 (13%)
- 被害の経験はないけれど、被害があることは知っている: 28名 (42%)
- 被害の経験がなく、被害について今まで見聞きしたこともない: 6名 (9%)
回答者のうち91%(計 61名)もの方々が、「被害」について実体験・見聞として知っているという結果となりました。
【A】被害者回答の部 (計 24名)
Q. 2 どのような所作のときに被害を受けられましたか?
- ひざまずいての拝領 17名
- 立ってでの拝領 3名
- どちらもある 4名
「跪き」の所作のときに被害を受けた方が7割以上ですが、立ってでの被害経験「3割」は決して少なくない比率です。
Q. 3 被害を受けられた回数は何回ですか?
- 1回: 計 9回; 37% (9名)
- 2回: 計 8回; 17% (4名)
- 3回以上: 計 33回; 46% (11名)
被害回数 計 50回以上 (被害者 計 24名)
計 50回以上もの「被害」と御聖体への冒涜行為があったということです。
そして、3回以上も被害を受けた方が11名もいらっしゃいます。(この方々の信仰の姿勢は、まさに現代のキリシタンです。)
※ 以降のデータからは、「3回以上」を「3回」として集計しております。
被害を受けたときの所作と回数(Q.2, Q.3結果より)
Q.2とQ.3のデータを組み合わせると、上記図4の棒グラフの通りとなります。
Q. 4 いつ被害を受けられましたか?(複数回答可)
- 1980年代: 1名
- 1990年代: 5名
- 2000年 ~ 2007年7月: 5名
- 2007年8月 ~ 2019年現在: 20名
※ 2007年8月に教皇庁典礼秘跡省 指針『あがないの秘跡』日本語訳発行
被害を受けたときの時期・所作・回数(Q.2, Q.3, Q.4結果より)
※ 被害1回分データに反映できず
2007年8月に指針『あがないの秘跡』 (舌で受ける・跪いての聖体拝領は禁じられないことを再確認) の日本語訳が発行されたのに、なぜかその後の被害数が突出しています。
Q. 5 どのような教会ででしたか?(複数回答可)
- 教区管轄の教会: 27回 (19名)
- 修道会経営の教会: 17回 (11名)
- その他: 2回 (2名)
※ 被害4回分データに反映できず
今回の被害者回答においては、教区管轄教会での被害数の方が多いです。
(【B】目撃者回答の部においては、修道会経営の教会の方が多い。)
Q. 6 どこの司教区ででしたか?(複数回答可)
- 東京 27回
- 福岡 6回
- 横浜 5回
- 仙台 2回
- 名古屋 2回
- 鹿児島 2回
- 札幌 1回
- 広島 1回
- 長崎 1回
※ 被害3回分データに反映できず
このデータを視覚的にまとめると、以下の図9の通りとなります。
(拙いですが、インフォグラフィック的まとめです。)
東京教区での被害数が突出しており(全体の57%)、その次に福岡、横浜教区が続きます。
なお、被害を受けたときの所作で「立ってでの拝領」と「どちらも」を選択した方の被害場所は、札幌、東京、横浜、長崎、福岡でした。
舌による聖体拝領 被害時期・場所・回数(Q.2, Q.3, Q.6結果より)
今回のアンケート回答においては、2007年8月の指針『あがないの秘跡』日本語訳発行後に、全国的に被害が拡大しているように見受けられます。
Q. 7 可能であれば、あなたの性別を教えてください。
- 男性 8名 (被害回数 19回)
- 女性 16名 (被害回数 31回)
※ 全員より性別をご回答いただきました。
※ 以下の図12・円グラフは被害回数の男女比です。(被害人数ではない)
被害者・被害回数は、女性の方が多い傾向にあります。
Q. 8 被害を受けられた場所は所属教会でしたか?
- はい 14名
- いいえ 10名
「はい」「いいえ」の回答次第でQ.9の回答選択肢を変えています。まずは、「はい」と回答した所属教会での被害者の回答を掲載します。
所属教会での被害者
Q. 9 被害を受けた後の教会生活について、最も当てはまる内容を選択してください。
所属教会へ通い続けた方が6名、被害が理由で何らかの教会生活上の不利益を被った方が6名(別の教会へ通う、一時期別の教会へ行っていた、一時期教会自体に行かなくなって今は別の教会へ転出)という結果となりました。
所属教会外での被害者
Q. 9 被害を受けた後の教会生活について、最も当てはまる内容を選択してください。
Q.9のそれぞれの回答結果を見るに、被害を受けた後もいずれかの教会に通い続けている方が多いです。しかしながら、被害が理由で一時期どの教会へも行かなくなった方が計2名いたという事実について、心が痛みます。
Q. 10 聖体拝領に伴う加害行為や日本の教会の現状について、何か一言あればお願いいたします。
皆様より色々なコメントをお寄せいただきました(目撃者コメントとともに、共感する内容ばかりです)。信じられないような、嘆かわしいご報告もございます。
司祭が御聖体を授与せず座ったままで「奉仕者」にまかせっきりという事例は、外国での話としてネットで読んだことはありましたが、日本の教会(英語ミサ)でもあるのですね・・・。
注
・なかにはコメントの公開を想定していなかった方もいらっしゃるかもしれないので、コメントは折り畳んでおります。
・被害を受けた場所・性別情報などは公開せず、コメントのみの掲載です。また、文中の具体的な教会名は念のために伏せ字としました。
・私が当時通っていた教会では跪く行為は禁止で、洗礼前に予め強い口調で禁止の通達、それで立って舌での聖体拝領でしたが、ある主日のミサ後、人が少なくなったロビーで主任司祭から侮蔑に近い発言を受けました。助任司祭からは小教区青年会の会合で舌での聖体拝領を止めるように皮肉口調で言われました。(リトルペブル全盛期)ただ、司教座で司教の方針なのか、舌での聖体拝領が禁止になる事はありませんでした。
・司祭が偉いのか聖体が偉いのか分からなくなります。
・教会では、主をどのように礼拝し、賛美するのがふさわしいのかを考える機会が減っているのではないでしょうか。御聖体とは主ですから、主を拝領するのにふさわしくあるには、という当然考えるべきことを、受洗時にもその後にも教えていただけないのが大きいと思います。それは、一般信徒だけでなく司祭も教えていただけてないのではないかと気の毒に思います。
・各地の司教から、また中央協議会から、過去の違法行為についての公式謝罪と、ひざまずきを排斥してはならない、ひざまずきを拒否した司祭および妨げた信者は各事案ごとに個別的に当該被害者に対して謝罪して心の傷を癒さなければならない、という主旨の公式の文書で、各地の司牧者や信徒たちに周知させるべき
・日本のカトリック教会はバチカンの意向に反しています。
・●●教会です。昨年、朝ミサで、私が口からの拝領を望むと、ミサでの食事の仕方を教えると注意された。●●は跪きと口からの聖体拝領が多い。自分が関わるベトナム人は全てやめさせたと言われた。イエスは友達。何故友達を伏し拝むのかと言われた。隣の▲▲教会のミサに行くようなり、受け入れられていたと思っていたが、先週ミサ中に司祭から、姿勢を合わせろ、口からは、口紅が指に付いて汚いといわれ、▲▲にも行けない。
・教皇様にこのことを知っていただきたい。また聖変化のときに跪くことも許されていない。
・90年頃に受洗された信者の方々の話ですが、大阪教区と広島教区の修道会系教会で初聖体は手で受けることを条件に、洗礼を許可されたという事がありました。(その後は口での拝領は可)
今までお会いした神父様では、教区の司祭より修道会の司祭の方が手での聖体拝領を強いられるように思います。
小さな体験ですが、ご参考までに。
・私が舌での拝領を授けて頂けなかった場所は司教区管轄とは別の機会で長崎教区以外でも長く過ごしていて、その時長崎に赴任していた修道会の司祭でした。
長崎教区自体は舌での拝領は、まだ全体的に保たれています。
ただある頃から子供達が舌での拝領を怪訝に思うということが恥ずかしいながら長崎に起きはじめ、信仰教育に危機を感じます。
・やめてほしい
・キリストと聖母への愛に立ち戻らなければならないと思います。
・拝領について、司祭と信徒の両方に教育が必要です。
・手での拝領および、手にご聖体をわたす行為は冒涜であるとの認識がないようなので、これをもっとみなさんに知っていただかなければいけないと思いました。みんなが手で拝領するからと、長いものに巻かれる信仰をもっているなら、反キリストが登場したときに獣をおがんでしまうことになりかねません。 666の数字(マイナンバーバーコード)を拒むこともできなければ、地獄へ連れて行かれてしまうのですから、今から。
【B】目撃者回答の部 (計 11名)
ここからは、被害を目撃した方の回答報告です。回答人数(=被害を目撃した人数)は計 11名です。(9名+「【A】被害者」との重複2名)
Q. 2 あなたが今まで目撃した被害者は何人ですか?
- 1名を目撃: 回答者数 3名
- 2名を目撃: 回答者数 3名
- 3名以上を目撃: 回答者数 5名
※ 以下の質問にも共通しておりますが、回答者は同じ被害者を目撃している可能性もあり、その被害者は上記「【A】被害者」の可能性もあります。
Q. 3 目撃した被害者は、どのような所作によって被害を受けられましたか?
- ひざまずいてでの拝領: 計 14名以上の被害者を目撃(回答目撃者は計 7名)
- 立ってでの拝領: 計 2名の被害者(回答 1名)
- どちらも目撃したことがある: 計 8名以上の被害者(回答 3名)
Q. 4 いつ目撃しましたか?(複数回答可)
- 1980年代: 仙台(1名の被害者を目撃)、新潟(1名)
- 1990年代: 東京(2名以上)
- 2007年8月 ~ 2019年現在: 東京(18名以上)、名古屋(1名)
※ 括弧の中の人数は被害者数
※ 東京教区での被害者1名分データは反映できず(1990年代 or 2007年8月~)
Q. 5 目撃した被害者の性別を教えてください。(複数回答可)
- 男性 9名
- 女性 8名
※ 被害者7名分のデータ反映できず
Q. 6 どのような教会ででしたか?(複数回答可)
- 教区管轄の教会 : 5名の被害者
- 修道会経営の教会: 16名の被害者
- 覚えていない: 2名の被害者
※ 被害者1名分のデータ反映できず
Q. 7 聖体拝領に伴う加害行為や日本の教会の現状について、何か一言あればお願いいたします。
以下、全て東京教区での目撃者コメントです。
「舌での聖体拝領」を希望した洗礼志願者に対し、典礼委員が「手による聖体拝領」を強要する発言をしたなど、酷い報告もございます。
・口での拝領を拒むことは御聖体への敬意を否定しているのと同じ。日本の教会は酷いものですが世界でも同様に立って手で拝領することを勧めていることに危機感を覚えます。
・長年、正しいとされてきた躓きの所作を事実上禁止にしている現状は、到底納得できない。日本における適応とかいっても、初めて我が国にカトリックの教えが伝わって以来、何世紀も日本の信徒によって当然のように受け容れられてきた所作である。
多くの信徒は、この「日本における適応」を歓迎したわけではなく、仕方なく従ったというのが現状である。そこまでして、躓きを廃止したい理由は何なのだろうか?
・拒否している司祭当人の理由を聞きたい。なぜ、なのか。
・典礼委員による洗礼式のレクチャーで、舌での聖体拝領を希望した洗礼志願者に対し、「舌での聖体拝領は、日本ではいたしません!」「(日本では)無くなりました!!」と、手による聖体拝領を強要していた。
以上がアンケート集計結果です。甚だ酷い惨状が浮き彫りになったと思います・・・。
どうか皆様、被害者のために、そして日本の教会における御聖体への冒涜・侮辱を司教様方、神父様方が終わらせるようにお祈りください。
※ 今回のグラフ画像、集計データは自由にご使用いただいて構いません。
・被害回数「3回以上」の方が半数近くを占めるという結果に大変驚いたと同時に、感銘を受けました。何度も被害を受けても、御聖体を(跪いて)舌で受けるために信仰を貫き通す姿勢に、現代日本に生きる「キリシタンの霊性」を感じました。
自分自身の今後の信仰生活の模範・参考になったことからも、今回アンケートを呼びかけて良かったと思います。
・東京教区での被害が多いことについて。実際、教会・イベントによっては舌で拝領する方(跪き・立って共に)をちらほら見かけるので、母集団が大きいことが理由でしょうか。加えて、教会内の悪い動き・思想の発信源の地でもあります。
・今回のアンケート集計結果では被害発生時期は1980年代以降ですが、書籍等に鑑みるに、実際は更に前の時期から「強要」がはじまっていたと思われます。(次回記事にて簡単に書き記す予定)
・なぜ2007年8月以降が多いのか?について色々と推測するものはあります。
指針「あがないの秘跡」の日本語訳が発行されたことで、これまで遠慮していた信徒が「安心して」舌で・跪いて拝領するようになって、やっぱり駄目だった。舌・跪きによる聖体拝領を否定しない高齢の司祭方が亡くなっていった。インターネットによる情報の普及で、舌による拝領に加えて「ひざまこう」と心を決めた信徒が多くなってきた、等々。
・「ひざまずいた」から被害を受けたのではないか? 「舌による」聖体拝領に伴う被害と大きくくくるのは不適切ではないか?と考える方もいるかもしれません。
私としては、立っての舌による拝領でも、跪いてでも、問題の根っこは同じである(御聖体への正当・正統な崇拝姿勢を忌避している)と考えて「舌による拝領」としてくくっております。
実体験としても、立ってでの舌での拝領はOKしていても内心は嫌がっている司祭を知っており、知人からもそのような司祭の話を伺っています。
・(私信)「ヴァチカンも今は手」だとコメントで述べられた目撃者の方へ:
ここをお読みになっているかは分かりませんが・・・。
YouTubeで今年のミサ動画を幾つか確認されることをお勧めいたします(「Pope Mass」などのキーワードで検索)。
御聖体を手で受けようとする信徒に対して、(本来の)聖体奉仕者が舌で受けるよう無言で誘導する場面、地面に跪いて舌で拝領する侍者(聖職者?)の姿が見られます。残念ながら、手で拝領する方々もいますが・・・。
アンケート結果が少しでも多くの信徒に広まるように、ボタンを押していただけましたら幸いです。
関連記事
参考記事
バチカン教皇儀典室: 「跪いての舌での聖体拝領」を主張する文書
サラ枢機卿「手による聖体拝領は教会に対する『悪魔的攻撃』の一つ」(英The Tablet誌より)
手による聖体拝領、臨時の奉仕者を日本に導入していった過程の不可解な点など
【カトリック新聞】 「手による聖体拝領」導入報道記事(1970年10月11日付)①
【カトリック新聞】 「手による聖体拝領」導入に関する虚偽報道とプロパガンダ(1970年)②