聖座・典礼秘跡省から御返信が届きました。 クリック/タップ

聖座へ嘆願書を提出しました。ー 典礼秘跡省長官・サラ枢機卿閣下宛て ー

バチカンへの手紙送付

昨日、フランシスコ教皇様御来日の正式決定について報道されました。ちょうど同じ9月13日に典礼秘跡省長官 サラ枢機卿様宛ての嘆願書が同省に到着しましたので、ご報告申し上げます。

聖座・典礼秘跡省宛て嘆願書の概要: 助けて欲しいという率直なお願い

典礼秘跡省長官のサラ枢機卿様宛てに提出した嘆願書の概要は、以下の通りです。

  1. 「舌による聖体拝領」に伴う被害に関する報告。
    添付資料: アンケート集計結果の詳細内容(回答者の方々からのコメントも含む)
  2. 日本の司教協議会と高位聖職者方(嘆願書中で実名を挙げています)宛てに嘆願書を送付し、2つの依頼をさせていただいたこと:本問題に対する公式的な見解の速報と、被害防止のための諸策通知の依頼。同書は2019年7月17日に到着しているが、9月11日時点でまだ何の反応も公式的なご見解もいただけていないこと。
  3. 日本の教会へ何らかのご指示を出していただき、私たち信者を助けて欲しいという率直なお願い

また、嘆願と併せて、日本の教会における典礼問題についてごく簡単に報告致しました。臨時の聖体奉仕者の濫用、 試用の祈願文(集会祈願、奉納祈願、拝領祈願)が公式的に用いられていること、跪き廃止の動きが特にひどいことなどです。日本には古来から身を低くする動作があり、今でも日常的な動作として「正座」があるので、「跪きは日本人に適さない」という主張に基づく跪きの廃止は不可解だとも書き記しました。

そして、ミサ聖祭の聖変化における「立って礼」を定めた日本の規定(『ローマ・ミサ典礼書の総則』に基づく変更箇所)は、本当に今の日本語規定の内容(英訳して提示済み)に対して前・典礼秘跡省長官が許可を出されたのでしょうか?という疑問と、私たち信徒は跪きたいと思っているということも申し述べさせていただきました。

複雑な内容の手紙ではありますが、クラウドソーシングを利用してカトリック信者且つ欧州在住の英語ネイティブスピーカー(日本人の書いた英文を読み慣れていないであろう方)に校正をお願いしたので、意味不明な英文を提出してはいないと思っております。

指針『あがないの秘跡』: 典礼秘跡省が裁治権者へ通達、指針、命令を出すという規定

2004年3月25日に典礼秘跡省から公布された指針『あがないの秘跡』(日本では2007年8月3日に邦訳版が発行)の181においては、典礼秘跡省が報告を受けた御聖体に関する罪あるいは誤用について精査するように裁治権者に対して通達すること、182においては、事例の性質に応じて、裁治権者が真摯に従わなければならない指針や命令を与えて裁治権者を助けることについて規定されています。

※ 裁治権者(英語 the Ordinary, ラテン語 Ordinarius): 教会法134条において、ローマ教皇、教区司教、司教の総代理および司教代理、他だと定められています。指針の176-180は教区司教に関する内容につき、181でも教区司教(代理)のことを指していると思われます。

181 典礼秘跡省が至聖なる聖体に関する罪あるいは誤用について、少なくとも蓋然性の高い報告を受けたときにはいつでも、裁治権者に対してその件を精査するよう通達する。ことがらが重大であると判明した場合、裁治権者は典礼秘跡省にできるだけ速やかに、行われた調査の記録と、必要な場合は課された罰の報告を送付する。

182 さらに難しい事項においては、裁治権者は、自らの聖なる叙階の権能に基づいて自分自身も保護する役割を担っている普遍教会の善のために、前もって典礼秘跡省の助言を得て、その件について取り扱うことを怠ってはならない。他方、典礼秘跡省はローマ教皇によって付与されている権能の力をもって、その事例の性質に応じて、裁治権者に必要な免除を与えるか、裁治権者が真摯に従わなければならない指針や命令を与えて彼を助ける。

『あがないの秘跡』 pp.104-105

そして、上記「誤用」に関しては、以下2点も重大な事柄だと指針173において規定されています。
・跪いて聖体を受けることを望む信者に対して、そのことだけを理由とした聖体授与の拒否は適法ではないこと(指針91)
・信者は聖体を口で受ける権利をつねに持っていること(指針92)

つきましては、今回の嘆願書について、聖座が何らかのご対処をしてくださることを期待して、祈りつつ待ちたく存じます。

皆様、引き続きお祈りいただきます様よろしくお願い申し上げます!

183 完全に特別なしかたで、至聖なる聖体の秘跡がいかなるあらゆる不敬や歪曲から守られるために、また、あらゆる誤用が完全に正されるために、すべての人がそれぞれの能力の及ぶあらゆることをなすべきである。これは、一人ひとりに、そしてすべての人に課せられているもっとも重大な責務である。いかなるえこひいきも越えてこの責務を果たすことが、すべての人に求められている。

『あがないの秘跡』 p.105

「余計なことをしないでください」と思われる方がいらっしゃるかもしれないので、念のために掲載致します。(「私はこの規則通り、頑張っています」というアピールのための掲載ではないです。)

十字架の称讃

2019年9月14日
聖なる十字架の称讃

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実は、手紙はほぼ同じ内容を2通発送しております。1通目は航空便(国際書留・保険付書状)での郵送としましたが、8月31日に東京国際交換局に到着し、9月2日に「国際交換局から発送」した後、9月14日現在も追跡ページ上のステータスが更新されないままです。どこかの国を経由中なのか、イタリアまでは到着しているものの通関に時間がかかっているのか、何とも分かりません。

なかなか手紙が届かないので、ほぼ同じ内容の2通目(誤字訂正、若干の情報追加)をFedExのInternational Priorityで9月11日に出荷し、13日に到着しました。

1通目の手紙発送後に、どうやらイタリアの郵便事情はすこぶる悪いらしいとの情報もネット検索で知りました。

【2019年11月24日追記】
なかなかステータスが更新されないので、9月7日に郵便局へ行って調査請求書を提出したところ、1ヶ月以上経過してから10月20日付けの調査請求回答書が届きました。9月20日に「郵便物は、受取人様に正当に配達されました」とのことでした。
その後も追跡ページ上のステータスは全く更新されないままですが、11月12日付けの聖座からの御返信にも「8月31日付けの手紙も届いた」旨をご記載いただいているので、無事に届いたようです。

将来的にバチカン宛てへ何らかの文書を送付したいと考えている方のために、本件、記録として掲載いたします。

出典

教皇庁典礼秘跡省著、日本カトリック典礼委員会訳『指針 あがないの秘跡』初版第2刷、カトリック中央協議会、2012年 (初版第1刷は2007年)